両親の世代の教えに反して、すべての借金が悪いわけではありません。
借金には「良い借金」と「悪い借金」があります。
住宅ローンや低金利のローンなど、適切に使えば資産形成を加速させる手段となります。
しかし、「良い借金」と「悪い借金」の境界線は曖昧です。
違いを理解し、自分にとって本当に必要な借入なのかを見極めることが重要です。
この記事では、良い借金と悪い借金の違いを説明し、どのようにして借金が財務的に役立つ場合があるかを解説します。
良い借金とは?
良い借金は、自分自身への投資です。
将来的な資産価値の増加が見込めるものに使う借金がこれに当たります。
- 住宅ローン:家を購入するためのローン。ほとんどの人にとって最大の投資で、金利が低い場合が多いです。
- ホームエクイティローン:住宅を担保にした低金利の借入で、暫定的な借金返済にも使えます。
- ビジネスローン:起業資金、起業するアイディアがあるのであれば有効です。成功すれば最大のリターンを生みます。
- 学生ローン:有用または高収入に繋がる教育のみお勧めで、将来的な収入向上に繋がります。適当な大学資金の場合は使わない方が賢明です。
悪い借金とは?
価値が下がるものに使う借金は「悪い借金」とされます。
必要性はあっても、資産にならない消費に使うものです。
- 自動車ローン:車は価値が急激に下がります。生活に必要でなければ辞めましょう。
- パーソナルローン:旅行や服など消耗的な目的での借入は注意。金利が高いものばかりで危険です。
- クレジットカードローン:絵に描いたような高利で、簡単に負担が膨らみます。
グレーゾーンと注意点
一部の借金は「良い」か「悪い」か判断が難しい場合もあります。
- 借金の借り換え:高金利の借金を低金利でまとめるのは有効。ただし、借り換えた資金を無駄に使わないよう注意。
- 投資のための借金:証券口座での「信用取引」は高リスク。逆に動けば追証の危険性があります。
借金が多すぎると?
良い借金でも借りすぎは危険です。「返せる額か?」が最重要。
たとえば、月収40万円に対し、20万円の返済があると返済比率は50%。これは「危険水準」です。
理想は35%未満です。このケースの場合、約13.6万円です。
良い借金が悪い借金になるとき
良い借金でも、適切に管理されなければ悪い借金に変わります。
- 頭金ゼロで不安定な収入なのに住宅ローンを組む
- 学費ローンで取得した学位が収入に結びつかない
- 住宅担保型ローンで旅行や嗜好品購入
これらはすべて「良い借金」が「悪い借金」に変わる典型例です。
特に、将来性のない分野で過大な教育ローンを借りると、返済に苦しむ可能性が高まります。
判断の目安|「7%ルール」
借金の利率が7%を超える場合は、明確な高金利なので早めに返済をした方が良いでしょう。
7%未満の金利であれば、その分を投資に回すことで十分なリターンを得て、返済に見合うだけのリターンを得られる可能性が高まります。
借金返済の戦略
- アバランチ法:利率の高い借金から返済(経済合理性重視)
- スノーボール法:残高の小さいものから返済(達成感重視)
まとめ
借金が良いか悪いかを判断するための基準は、それが「将来的にどれだけのリターンをもたらすか」にかかっています。
借金を上手に活用すれば、家の購入や事業の成長、教育など、重要な目標を達成するための有力な手段となります。
無計画に借金を抱えることは財務的な負担を増やし、生活の選択肢を制限します。
最終的には、感情で判断せず、数字と目的で判断しましょう。