ハンドドリップコーヒー&お茶セットは、ただ飲み物を淹れるための道具ではありません。
雨の日をちょっと特別にしてくれる舞台装置のようなものです。
窓の外でトントンと響く雨音がBGMになり、その中で立ち上る香りと、カップから伝わる温もりをじっくり味わう。
そんな時間を想像するだけで、少し肩の力が抜けませんか。
コーヒー派なら、ミル付きのドリッパーとお気に入りの豆を用意しましょう。
豆を挽く「ゴリゴリ」という音は、不思議と気持ちを落ち着けてくれます。
お湯をゆっくり注ぎ、じわじわと膨らむ粉の表情を眺めていると、キッチンがまるで小さな喫茶室に変わるようです。抽出の一滴一滴が「待つ楽しみ」を教えてくれます。
一方、お茶派におすすめなのは、急須・茶筒・湯冷ましといった古風な道具たち。茶葉を取り出す瞬間に漂う香りや、湯気がふわりと広がる温度のゆらぎは、まさに日本の「間」を感じさせてくれます。
お湯を注ぐたびに少しずつ変わる色合いも、目で味わうごちそうです。
そして、仕上げは「カップ選び」。ほんの少し重みのある器を手にすると、その温かさが掌にしっとり馴染みます。
何気ないことのようですが、この感覚があるかないかで、くつろぎ度合いはぐんと変わるのです。
外は曇り空でも、部屋の中は香りと温もりで満ちている。そんな小さな儀式を日常に取り入れるだけで、雨の日は「憂うつ」から「ご褒美の時間」へと姿を変えます。