骨格診断

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骨格診断を信じる前に知るべきこと|科学的根拠とファッションの観点から解説

2023年12月7日

「骨格診断って本当に当たってるの?」

SNSや雑誌で話題の「ウェーブ・ストレート・ナチュラル」分類ですが、実は科学的な根拠は明確ではありません。

本記事では、骨格診断の仕組みや信ぴょう性をわかりやすく解説しつつ、「本当に似合う服」を見つけるための実践的な方法を紹介します。

信じすぎて後悔しないために、正しい知識と、自分で判断できる力を身につけましょう。

骨格診断とは?その仕組みと3つのタイプをおさらい

骨格診断とは、体のラインや質感から「似合う服」を提案するためのファッション理論です。

代表的な分類は「ウェーブ」「ストレート」「ナチュラル」の3タイプ。

  • ウェーブ型:柔らかく曲線的な体型。華奢で可憐な印象。
  • ストレート型:筋肉がつきやすく、メリハリのある体型。シンプルな服が似合う。
  • ナチュラル型:骨格がしっかりしており、ラフでカジュアルな服が映える。

ただし、ここで誤解されがちな点があります。

「骨格診断」とは言っても、実際に見ているのは骨ではなく「体型」です。

実は「骨格」ではなく「体型」を指している

骨格診断という名前ですが、診断で観察されているのは筋肉や脂肪のつき方・体の厚み・肉の質感など

つまり本質的には「体型診断」に近いものです。

単語の言い換え

よくある「ウェーブ=華奢」「ストレート=グラマー」「ナチュラル=骨っぽい」という表現。

これ、「貧相」「寸胴」「がっちり」といった体型的特徴を、マイルドに言い換えた言葉でしかありません。

たとえばショップ店員が「あなたは寸胴ですね」とは言えません。

そこで「ナチュラルタイプですね」と表現すれば、相手を傷つけず、納得感も生まれます。

このように、骨格診断は体型をやさしく言い換えたマーケティング言語として機能しているのです。

言葉を変えただけで「価値」が生まれる

「寸胴」や「貧相」というネガティブな言葉を、「ストレート」「ウェーブ」と自分ではどうしようも無いものだと他力に再定義することで、自己肯定感を保ちながらファッションを楽しめるようになる。

その心理的効果も、骨格診断が人気を集めた理由の一つです。

骨格診断に科学的根拠はある?

結論から言えば、明確な科学的根拠はありません。

骨格診断は、X線やMRIなどで骨の角度や長さを測定しているわけではなく、視覚的な印象をもとにした「分類フレーム」です。

「骨格」を測定しているわけではない理由

医学的に見ると、骨の形や関節の角度、筋肉の付き方は人によって連続的に変化します。

つまり「3タイプに分ける」こと自体が曖昧な区分です。

人の体型は連続的で、明確に3タイプに分けられない

人間の体型は、遺伝・生活習慣・筋肉量・姿勢などの要因で細かく変化します。

そのため「あなたはストレートだから太ももが太い」などと断定するのは誤りです。

「当たっている気がする」のは心理的バイアス

骨格診断が「当たっている気がする」理由は、心理学でいうバーナム効果によるもの。

誰にでも当てはまりやすい曖昧な表現を、自分だけの特性だと感じてしまう現象です。

骨格診断が広まった理由|「当たる気がする」心理とSNSの影響

骨格診断がここまで広まった背景には、心理的な要素とSNSの拡散構造が大きく関係しています。

ファッションのフレームとして分かりやすかった

多くの人にとって「似合う服の基準」を持つのは難しいことです。

骨格診断は、難しいファッション理論を「3分類」に単純化し、誰でも理解できる形にしたことで人気を集めました。

心理的に「安心」を与える構造(思考停止の快楽)

「あなたはウェーブです」と言われると、選ぶべき服が決まり、考える必要がなくなります。

これは人間の「認知コスト」を減らす快感につながる心理的仕組みです。

InstagramやSNSでの拡散構造

視覚的なコンテンツと相性が良く、ビフォーアフターの投稿が「わかりやすい成果」としてシェアされやすい。

その結果、SNS上で「信憑性」が雪だるま式に増幅されました。

診断ビジネスの実態|「手っ取り早い正解」を売る構造

骨格診断は便利なフレームである一方、ビジネスとしては「安心と正解」を売る構造になっています。

「あなたはこのタイプ」という言葉が安心を生む

迷うよりも「決めてもらう」ほうが楽。

診断は「選択の自由」を手放す代わりに「安心」を提供するサービスなのです。

骨格タイプを口実にしたアパレルマーケティング

通販では「ウェーブ向け」「ナチュラル体型におすすめ」といった訴求が増加。

実際には、体型特徴をもとにした購買心理マーケティングの一種です。

本当に似合う服を見つけるための実践ステップ

ここからは、骨格診断に頼らずに「自分に似合う服」を見つけるための実践法を紹介します。

1. 自分の体型を正しく把握する(鏡・写真で客観視)

鏡で全身を撮影し、姿勢やシルエットをチェックします。

体型のバランスを把握することが、すべてのスタイリングの出発点です。

2. 体を鍛えて「ベース」を変える

「寸胴」「貧相」などの体型的特徴は、筋肉量で大きく変化します。

筋肉を増やすことで、体型そのものの見え方が変わります。

3. 服選びはサイズと色が9割

どんな理論よりも、サイズ感と色味の選び方が重要です。

体に合った「ジャストサイズ」の服を着るだけで印象は激変します。

4. 憧れの人を模倣することから始めよう

「自分がいいと思う人のスタイルを真似る」ことは最短の学び方です。

骨格診断よりもはるかに実践的で、自分の理想像を明確にできます。

まとめ|骨格診断は「体型を言い換えたフレーム」

骨格診断は、科学的な診断ではなく「体型の特徴をポジティブに言い換えたファッション言語」です。

重要なのは、診断に従うことではなく、自分の体を本質的に理解し、服選びを主体的に行うこと。

診断を「盲信」する人よりも、「使いこなす」人の方がおしゃれになります。

ファッションを楽しむための1つの「参考地図」として、軽やかに取り入れましょう。

  • この記事を書いた人

光煕

パフォーマンスを発揮できるように運動、トレーニング、美容の経験を記録しています。食/酒/メンタルヘルスの問題に対処する方法にも焦点を当てています

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