カナダ、メキシコ、中国から米国に輸入される製品に対する新たな関税が火曜日から始まりました。
米国の隣国であるカナダとメキシコは、カナダからのエネルギー製品を除くすべての製品に25%の関税を課せられ、エネルギー製品には10%の関税が課せられます。
一方、2月に中国に課された10%の関税は20%に引き上げられました。
関税の影響
ドナルド・トランプ大統領は、輸入品への関税を大幅に引き上げる政策を推進しました。
これにより、日用品から高級品、大型購入品、さらには国内生産品まで、幅広い商品が値上がりする可能性があります。
関税は輸入業者が負担しますが、そのコストは消費者価格に転嫁されることが一般的です。
トランプ氏の関税計画により、米国内の企業は価格を引き上げると明言しており、結果として消費者の負担増につながると予測されます。
トランプ氏の関税計画
トランプ氏は就任直後から広範な関税政策を実施しました。
- 2025年2月1日:カナダ・メキシコからの輸入品に対し25%の関税(エネルギー製品は10%)
- 既存の中国製品への関税を10%から20%に引き上げ
- 欧州連合(EU)からの輸入品に対する25%の関税を検討
- 自動車、鉄鋼、アルミ、銅、医薬品、半導体、農産物などの追加関税を示唆
- カナダからの木材輸入に関する調査を開始
- 3月12日には鉄鋼・アルミニウムへの25%の関税を導入予定
価格上昇が予想される分野
米国は世界最大の輸入国であり、主な貿易相手国は中国、メキシコ、カナダです。
関税の影響は以下の分野で顕著になると考えられます。
食品
2024年の食品輸入額は約2,161億ドル(米国国勢調査局データ)。
特に、国内調達が困難な食品や供給不足の食品の価格上昇が懸念されます。
- 果物・果汁
- 魚介類
- ベーカリー製品
- 野菜
- 肉類
- ワイン・ビール・アルコール類
- 食用油
- コーヒー豆
- 乳製品・卵
- 茶・香辛料
- ナッツ類
- 砂糖・カカオ豆
メキシコ、カナダ、中国からの食品輸入額は年間数十億ドル規模であり、これらの関税引き上げによる価格上昇は避けられません。
消費財
消費者向け製品(スマートフォン、衣類、家電、玩具など)の輸入額は2024年に8,060億ドルを超え、全輸入の約25%を占めます。
関税が適用されると、以下のような商品が値上がりする可能性があります。
- 衣類・家庭用リネン(中国から361億ドル、メキシコから55億ドルの輸入)
- 電子機器(スマートフォン、PC、ゲーム機、タブレット)
- スポーツ用品・玩具・照明器具
ウォルマート、E.l.F. Beauty、スティーブ・マッデン、コロンビアスポーツウェア、スタンレー・ブラック&デッカーなどの企業も、関税引き上げによる価格上昇を示唆しています。
自動車・部品
2024年の自動車関連輸入額は4,743億ドルに達し、メキシコ・カナダが主要な供給元です。
- 乗用車
- 自動車部品・アクセサリー
- エンジン
関税引き上げにより、新車・中古車価格や修理費が高騰する可能性があります。
AutoZoneのCEOは「関税が適用されれば価格を引き上げる」と明言しており、消費者への負担増が避けられません。
工業用原材料
一般消費者には目立たないものの、ガソリン価格に影響を与える原油価格の上昇が予想されます。
- 2024年の原油輸入額:1,670億ドル
- カナダ・メキシコからの輸入額:1,330億ドル(石油、電力、精製石油製品含む)
- メキシコからの輸入原油には25%の関税が適用予定
また、建築資材(木材、鉄鋼、銅、アルミ)への関税により、建設コストが上昇し、住宅市場への影響が懸念されます。
資本財(生産機械・設備)
資本財の輸入は消費者には見えにくいものの、最終的に商品価格に影響を与えます。
2024年の資本財輸入額8,760億ドルで主な輸入品は以下のような物です。
- コンピューター・周辺機器
- 通信機器
- 半導体
- 医療機器
- 航空機・エンジン
- 農業機械
中国からの輸入額は2,080億ドル、メキシコからは1,650億ドル、カナダからは425億ドルとなっており、これらの関税が産業界に影響を与えるのは避けられません。
まとめ
トランプ氏の関税政策は、多くの輸入品の価格上昇を引き起こし、消費者の負担を増大させる可能性があります。
✅ 日用品・食料品の価格上昇
✅ 自動車・修理費の高騰
✅ 電子機器・家電・衣類の価格上昇
✅ 原油価格上昇によるガソリン価格の影響
✅ 建築資材の高騰による住宅市場への影響
この関税政策が経済全体に及ぼす影響については、今後の動向を注視する必要があります。