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久しぶりに最高の海外ドラマの登場「ザ・ピット」|医療ドラマの傑作再び

ノア・ワイリーといえば、伝説的な医療ドラマ「ER 緊急救命室」で一躍有名となった俳優ですが、彼が再び救命医師役に挑む新たなドラマ「The Pitt」がついにスタートし、シーズン1が終了しました。

この作品は、かつてのER制作スタッフが多くジョインしている事もあり、「ER」のDNAを色濃く受け継ぎながらも、単なるリブートではありません。

ノア・ワイリーのほか、クリエイターのR・スコット・ゲミル、パイロット版の監督ジョン・ウェルズといった「ER」ゆかりのメンバーが集結し、彼らが積み上げてきた医療ドラマのノウハウが遺憾なく発揮されています。

「The Pitt」でワイリーが演じるのは、ピッツバーグ医療トラウマ病院の救急部門(通称「ザ・ピット」)に勤務するベテラン医師、マイケル "ロビー" ラビノヴィッチ医師。

リアルな現場の緊迫感と、キャラクター同士の複雑な人間関係が、実に見事に描かれています。

「ER」や「Dr. HOUSE」「スクラブス」といった名作を思い出させる場面もありますが、それ以上に、「The Wire」や「24」といった作品にも通じるリアルさとスピード感を感じる事ができ非常に面白い作品となっています。

特筆すべきは、このドラマがリアルタイム形式で展開される点です。

全15話からなるシーズン1は、1話ごとに「ザ・ピット」での15時間シフトの1時間を描き出していきます。

この手法により、視聴者はその場にいるかのような臨場感を味わうことができます。

加えて、「The Pitt」は過去の名作に頼ることなく、重厚な脚本と卓越した演技で真っ向勝負してきます。

巨大なCGも、事前知識も必要ありません。ただただ、丁寧に紡がれる人間ドラマに引き込まれていく。これぞ、本来の「テレビドラマの面白さ」と言えます。

初回配信された第1話と第2話を観ただけでも、「The Pitt」が今年のテレビドラマ界を代表する作品になる予感がひしひしと伝わってきました。

ワイリー演じるロビーや、彼の同僚たちが抱える過去や葛藤が、巧みに、しかも自然に織り込まれていく様子は圧巻でした。

また、時折挟まれるユーモアが、緊迫した物語に絶妙なバランスをもたらしているのも魅力のひとつです。

「The Pitt」は、かつて「ER」で医療ドラマに革命を起こしたノア・ワイリーたちが、現代の医療現場の問題に着眼し、今再び新たな高みに挑んだ、まさに傑作です。

今後のシーズン展開が楽しみでなりません。

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